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「一握りの塵の中に恐怖を見せてやろう」

"I will show you fear in a handful of dust"

― T.S. Eliot, The Waste Land

代のロンドン。人間社会に紛れて暮らす、人間によく似た異種族「イグノータム」が存在する世界。

その中でも最も危険とされる先天性吸血鬼ジョン・ヘイグ。彼は世界政府公認の秘匿組織「退治屋」と協力関係を結び、定期的な検査を受ける代わりに血液の供給や生活のサポートを受けていた。

ヘイグの担当となったのは、イギリス一の業績を誇る退治屋、アルバート・ピアポイント。真面目で優秀な彼は、ヘイグの監視役兼仲介役として日々を過ごしていた。

ヘイグの家には、彼が作り出した後天性吸血鬼チェイスが匿われている。さらに、ドイツから逃げてきた先天性吸血鬼ハールマンが強引に居候を始め、時にはサディスティックなキュルテンまで遊びに来る始末。

監視対象と監視者。支配する者と支配される者。人間と、人間ではない何か

「罪って何だ?」

この街のどこかに、“倫理の外側”で生きる者がいる。

イグノータム

人間に酷似した異種族の総称。名称はラテン語で「未知」を意味する"Ignotum"に由来する。

起源や生態の詳細は不明。一般への公表は行われていない。

​現在、「吸血鬼(先天性・後天性)」「狼人間」「魔女」「天使」の四種類が確認されている。

退治屋

世界政府公認の秘匿組織。イグノータムの存在を秘密裏に管理・処理する役割を担っている。

「退治屋」は通称である。

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